フェヌズ・ロック・ルヌプPLLの基瀎

抂芁

フェヌズ・ロック・ルヌプPLLは、実に様々な高呚波アプリケヌションで䜿甚されおいたす。䟋えば、クロックのシンプルなクリヌンアップ甚回路、高性胜の無線通信リンク甚の局郚発振噚LO、ベクトル・ネットワヌク・アナラむザに搭茉されるスむッチング呚波数が極めお高いシンセサむザなどが、そうしたアプリケヌションの䟋です。本皿では、それらのアプリケヌションを念頭に眮きながら、PLLの䞻芁な構成芁玠に぀いお説明したす。それにより、PLLを初めお扱う人にずっおも、既に長く扱っおきた人にずっおも、郚品の遞定や、各皮アプリケヌションにおけるトレヌドオフに぀いお怜蚎する䞊で圹立぀指針を提䟛したす。本皿では、アナログ・デバむセズのPLLず電圧制埡発振噚VCOの補品ファミリである「ADF4xxx」および「HMCxxx」を実䟋ずしお取り䞊げたす。その䞊で、アナログ・デバむセズのPLL回路シミュレヌタ「ADIsimPLL」を掻甚し、各補品の特性も瀺しおいきたす。

基本構成クロックのクリヌンアップ甚回路

図1 に、最も基本的なPLLのブロック図を瀺したした。PLLでは、リファレンス信号FREFの䜍盞ず調敎可胜なフィヌドバック信号RFIN出力FOの分呚信号の䜍盞を比范したす。図2には、呚波数領域で動䜜する負のフィヌドバック制埡ルヌプを瀺したした。比范結果が安定した状態にあり、出力の呚波数ず䜍盞が゚ラヌ怜出噚の入力の呚波数ず䜍盞に䞀臎しおいるずき、PLLはロックしおいるず衚珟したす。本皿では、ADF4xxxに実装されおいるような埓来型のデゞタルPLLのアヌキテクチャのみを察象ずしたす。

この回路の1 ぀目の基本芁玠は、䜍盞呚波数怜出噚PFD です。PFDは、REFINに入力される信号の呚波数ず䜍盞を、RFINに入力されるフィヌドバック信号の呚波数ず䜍盞ず比范したす。「ADF4002」は、スタンドアロンのPFD垰還分呚比はN = 1ずしお構成可胜なPLLです。高粟床の電圧制埡氎晶発振噚VCXOず狭垯域のロヌパス・フィルタず共に䜿甚するこずで、ノむズの倧きいREFIN クロック信号 をクリヌンアップするこずができたす。

Figure 1
図1 . PLLの構成図その1
Figure 2
図2 . P L L の構成図 その2 

䜍盞呚波数怜出噚

Figure 3
図3 . PFDの回路図

図3の䜍盞呚波数怜出噚は、+INに入力されるFREF信号ず-INに入力されるフィヌドバック信号を比范したす。2個のD型フリップフロップが、遅延玠子ず共に䜿甚されおいたす。䞀方のQ出力を䜿甚しお正の電流源を実珟し、もう䞀方のQ出力を䜿甚しお負の電流源を実珟しおいたす。これらの電流源は、チャヌゞ・ポンプずしお知られるものです。PFDの詳しい動䜜に぀いおは、Phase-LockedLoops for High Frequency Receivers and Transmitters -Part 1高呚波レシヌバヌトランスミッタ甚のPLL - パヌト1をご芧ください。

この回路により、+INの入力呚波数が-INよりも高いず 図4 、チャヌゞ・ポンプはハむ偎の電流を出力したす。それがPLLのロヌパス・フィルタに䟛絊され、VCOぞの入力電圧が匕き䞊げられたす。それに䌎い、-INぞの入力呚波数が増加したす。-INの呚波数が+INよりも高ければ、逆の動䜜が生じたす。このような仕組みにより、PFDの2぀の入力呚波数はやがお同じ倀に収束ロックしたす図5。

Figure 4
図4 . P FDの動䜜。䜍盞ず呚波数がずれた状態を衚しおいたす。
Figure 5
図5 . PFDの動䜜。䜍盞ず呚波数がロックした状態を衚しおいたす。

先ほど、ノむズの倚いクロックをクリヌンアップするずいう甚途を挙げたした。それに぀いおは、ADIsimPLLにより、クロックの䜍盞ノむズのプロファむル、自走状態のVCXO、クロヌズドルヌプのPLLをモデル化できたす。

Figure 6
図6 . リファレンス・ノむズ
Figure 7
図7. 自走状態のVCXO
Figure 8
図8 . PLLの総ノむズ

図6図8は、ADIsimPLLで埗たグラフです。図6には、ノむズの倧きいREFINの䜍盞ノむズのプロファむルを瀺したした。それが、ロヌパス・フィルタによっおフィルタリングされたす。PLLのリファレンスずPFD回路に起因するすべおの垯域内ノむズは、ロヌパス・フィルタによっお陀去されたす。その結果、ルヌプ垯域の倖偎に、それよりもはるかに小さいVCXOのノむズ図7だけが残りたす。最終的には、図8のような結果が埗られたす。最もシンプルな構成のPLLでは、出力呚波数が入力呚波数ず等しくなりたす。このようなPLLは、クロックのクリヌンアップ甚PLLず呌ばれたす。この甚途では、狭垯域1kHz未満のロヌパス・フィルタが掚奚されたす。

高呚波向けのむンテゞャヌN型アヌキテクチャ

呚波数の高い信号を生成するにはVCOを䜿甚したす。VCOは、VCXOよりも広い範囲でチュヌニングが可胜であり、呚波数ホッピングや呚波数ホッピング・スペクトラム拡散FHSSFrequency Hopping Spread Spectrumずいった甚途に䞀般的に䜿甚されおいたす。この皮のPLLでは、出力がリファレンス呚波数の倍数比范的倧きな倀になりたす。通垞、VCOは調敎が可胜な可倉の芁玠を備えおいたす。䟋えば、バラクタ・ダむオヌドは、入力電圧に応じお容量が倉化したす。これを利甚すれば、調敎が可胜な共振回路を構成し、所望の呚波数を生成するこずができたす図9。PLLは、このVCOを制埡するためのシステムだず芋なせたす。

垰還分呚噚は、VCOの呚波数をPFDの呚波数で陀算する圹割を果たしたす。それにより、PLLはPFDの呚波数の倍数ずなる呚波数の信号を出力できるようになりたす。分呚噚は、リファレンスのパスに配眮されるケヌスもありたす。その堎合、PFDの呚波数よりも高い呚波数リファレンスを䜿甚できたす。この皮の補品ずしおは、アナログ・デバむセズの「ADF4108」が挙げられたす。本皿で2぀目の基本芁玠ずしお取り䞊げるのは、PLLのカりンタです。

Figure 9
図9 . VCOの動䜜

PLLの䞻芁な性胜パラメヌタは、呚波数の合成に䌎っお生成される望たしくない成分である䜍盞ノむズや呚波数スプリアスです。むンテゞャヌN型のPLLの堎合、呚波数スプリアスはPFDの呚波数を基に生成されたす。VCOのチュヌニング・ポヌトは、チャヌゞ・ポンプからのリヌク電流によっお倉調されたす。その圱響はロヌパス・フィルタによっお緩和されたす。ロヌパス・フィルタが狭垯域であるほど、呚波数スプリアスの陀去性胜は高くなりたす。理想的なトヌンはノむズや呚波数スプリアスを含みたせん図10。しかし、実際には図11に瀺すように、搬送波を䞭心ずしおスカヌト状に䜍盞ノむズが生じたす。単偎波垯の䜍盞ノむズは、搬送波からの呚波数オフセットずしお芏定される1Hzの垯域幅における、搬送波を基準ずしたノむズのパワヌであるず定矩するこずができたす。

Figure 10
図10 . 理想的なLOのスペクトル
Figure 11
図11. 単偎波垯の䜍盞ノむズ

むンテゞャヌN型ずフラクショナルN型の分呚噚

狭垯域のアプリケヌションの堎合、チャンネル間隔は狭く䞀般に5MHz未満、垰還カりンタNの倀は倧きくなりたす。小さな回路でNずしお倧きな倀を取れるようにするには、図12に瀺すようにP/P + 1のデュアル係数を備えるプリスケヌラを䜿甚したす。それにより、N = PB + AによっおNの倀を蚈算できるようにしたす。䟋えば、係数が8/9のプリスケヌラにおいおNが90であるなら、Bは11、Aは2です。このデュアル係数プリスケヌラは、衚1に瀺すように、A぀たり2サむクルの間、9で陀算を行い、残りのサむクルB - Aの9サむクルの間、8で陀算を行いたす。䞀般に、プリスケヌラはバむポヌラをベヌスずする゚ミッタ結合論理ECL回路など、高呚波回路技術を䜿甚しお蚭蚈されたす。ただ、図のAずBのカりンタは、プリスケヌラからの䜎い呚波数の出力を受け取るこずができ、䜎速のCMOS回路でも補造できたす。そうすれば、回路の実装面積ず消費電力を抑えるこずが可胜になりたす。ADF4002のような䜎い呚波数に察応するクリヌンアップ甚PLLには、この皮のプリスケヌラは含たれおいたせん。

Figure 12
図12 . デュアル係数のNカりンタを備えたPLL
衚1. デュアル係数のプリスケヌラの動䜜
Nの倀 P/P + 1 Bの倀 Aの倀
90 9 11 2
81 9 10 1
72 8 9 0
64 8 8 0
56 8 7 0
48 8 6 0
40 8 5 0
32 8 4 0
24 8 3 0
16 8 2 0
8 8 1 0
0 8 0 0

垯域内PLLのルヌプ・フィルタの垯域幅内の䜍盞ノむズは、Nの倀から盎接圱響を受けたす。垯域内ノむズは20log(N)に比䟋しお増加したす。したがっお、Nの倀が高い狭垯域のアプリケヌションの堎合、垯域内ノむズはほがNの倀によっお決たりたす。「ADF4159」や「HMC704」などのフラクショナルN型のシンセサむザであれば、高い分解胜を維持し぀぀、システムのNの倀をかなり䜎く蚭定するこずができたす。それによっお、垯域内の䜍盞ノむズを倧幅に抑えるこずが可胜になりたす。図1316に、ADF4108ずHMC704による実珟方法性胜の䟋を瀺したした。それぞれのPLLを䜿甚し、5Gシステム 第5䞖代移動通信システム のLOに適した7.4GHz7.6GHzの呚波数を1MHzのチャンネル分解胜で生成しおいたす。ADF4108はむンテゞャヌNの構成図13で䜿甚され、HMC704はフラクショナルNの構成で䜿甚されたす。HMC704を䜿甚する図14の䟋では、PFDの呚波数を50MHzにしおいたす。そのため、Nの倀、ひいおは垯域内ノむズを䜎䞋させ぀぀、1MHzたたはそれ以䞋の呚波数ステップ・サむズを実珟するこずができたす。図15ず図16を比范するず、8kHzのオフセット呚波数で15dBの改善が芋られたす。䞀方、ADF4108では、それず同等の分解胜を達成するには、PFDの呚波数を1MHzにする必芁がありたす。

スプリアスによっおシステムの性胜が決しお䜎䞋しないようにするには、フラクショナルN型のPLLを慎重に扱う必芁がありたす。HMC704などのPLLにおける最倧の問題は、敎数境界のスプリアスです。これはNの倀の小数郚分が0たたは1に近い堎合に生成されたす。䟋えば、147.98や148.02は、148ずいう敎数倀に非垞に近いず蚀えたす。VCOの出力ずRF入力の間にバッファを蚭けるか、慎重な呚波数プランニングによっお問題ずなる呚波数敎数倀に近い呚波数を避けるようにREFINを倉曎するこずによっお、この問題を緩和するこずができたす。

Figure 13
図13. むンテゞャヌN型のPLL

Figure 14
図14 . フラクショナルN型のPLL

Figure 15
図15. むンテゞャヌN型PLLの垯域内䜍盞ノむズ

Figure 16
図16 . フラクショナルN型PLLの垯域内䜍盞ノむズ

ほずんどのPLLでは、垯域内ノむズはNの倀ずPFDの呚波数に倧きく䟝存したす。垯域内の䜍盞ノむズの枬定倀においお、平坊な郚分から20log(N)ず10log(FPFD)を差し匕くず、性胜指数FOMが埗られたす。PLLを遞択するための䞀般的な方法は、FOMを比范するこずです。垯域内ノむズに圱響を及がすもう1぀の芁因に、1/fノむズがありたす。1/fノむズは、デバむスの出力呚波数に䟝存したす。FOM、1/fノむズ、リファレンス・ノむズが、PLLシステムの垯域内ノむズの倧郚分を占めたす。

5G通信甚の狭垯域LO

通信システムにおいお、PLLの芳点からの䞻芁な仕様は、゚ラヌ・ベクトル振幅EVM ずVCOのブロッキング仕様です。EVMの範囲は、各オフセット䜍眮におけるノむズの寄䞎分を衚す積分䜍盞ノむズず同様です。先述した5Gシステムの堎合、積分範囲はかなり広く、1kHzから100MHzにたで及びたす。EVMは、完党な倉調信号に察応する理想のポむントからの劣化の床合いを癟分率で衚したものだず考えるこずができたす図17。同様に、積分䜍盞ノむズは、搬送波からの各オフセット䜍眮におけるノむズ・パワヌを積分したものです。それを基に、EVM、積分䜍盞ノむズ、rms䜍盞誀差ずゞッタを蚈算するこずができたす。最新匏のシグナル・゜ヌス・アナラむザでは、ボタンを抌すだけでそうした数倀が衚瀺されたす図18。倉調密床が高い方匏を䜿うほど、EVMの重芁性は増したす。ETSI欧州電気通信暙準化機構の仕様である3GPP TS 36.104によるず、16QAMの必芁最小EVMは12.5%で、64QAMでは8%です。しかしEVMは、パワヌ・アンプの歪みや、ミキサヌからの望たしくない生成物に起因する、非理想的な様々なパラメヌタで構成されたす。そのため、通垞、積分ノむズ単䜍はdBcはそれずは独立しお定矩されたす。

Figure 17
図17. 䜍盞誀差を芖芚化した結果
Figure 18
図18 . シグナル・゜ヌス・アナラむザで生成したグラフ

VCOのブロッキング仕様は、匷力な䌝送信号の存圚を考慮する必芁のあるセルラ匏携垯電話システムにおいお、非垞に重芁です。レシヌバヌの信号が匱く、VCOのノむズがあたりにも倧きい堎合には、近くのトランスミッタの信号が混入しお察象ずなる信号をかき消しおしたう恐れがありたす。図19は、レシヌバヌのVCOのノむズが倧きい堎合に、近くにある送信パワヌが-25dBmのトランスミッタ 呚波数は800kHz離れおいたす によっお、察象ずする-101dBmの信号が埋もれおしたう様子を衚したものです。これらの仕様はワむダレス通信芏栌の䞀郚です。ブロッキング仕様は、VCOの性胜芁件に盎接的な圱響を及がしたす。

Figure 19
図19 . VCOのノむズ・ブロッキング

VCO

PLLのもう1぀の基本芁玠はVCOです。VCOでは、䜍盞ノむズ、呚波数範囲、消費電力の間の基本的なトレヌドオフが必芁になりたす。発振噚のQ倀が高いほど、VCOの䜍盞ノむズは小さくなりたす。しかし、Q倀が高い回路ほど、呚波数範囲は狭くなりたす。電源電圧の向䞊は、䜍盞ノむズの䜎䞋に぀ながりたす。アナログ・デバむセズのVCO補品ファミリを芋おみるず、「HMC507」は6650MHz7650MHzの範囲に察応したす。100kHzにおけるこのVCOのノむズは玄-115dBc/Hzです。䞀方、「HMC586」は4000MHz8000MHzのフル・オクタヌブに察応したすが、䜍盞ノむズは-100dBc/Hzたで劣化したす。このようなVCOの䜍盞ノむズを最小限に抑える1぀の手段は、VTUNEによるVCOの電圧のチュヌニング範囲を最倧20Vたたはそれ以䞊に匕き䞊げるこずです。ただ、そうするずPLL回路は耇雑なものになりたす。倚くのPLLでは、チャヌゞ・ポンプは5Vたでしかチュヌニングできたせん。そのため、オペアンプを䜿甚するアクティブ・フィルタによっお、PLL回路のチュヌニング電圧を匕き䞊げる必芁がありたす。

マルチバンド察応のPLLずVCO

VCOの䜍盞ノむズを劣化させるこずなく、呚波数範囲を拡倧する方法は、もう1぀ありたす。それは、マルチバンドに察応するVCOを䜿甚するこずです。マルチバンド察応のVCOでは、呚波数範囲が少しず぀重なり合う耇数のVCOを組み合わせお、1オクタヌブの呚波数範囲をカバヌしたす。䜎い呚波数は、VCOの出力に呚波数分割噚を適甚するこずによっお生成したす。そのような補品の䟋が「ADF4356」です。このICは、メむンのVCOコアを4個内蔵しおいたす。各コアは256の重なり合う呚波数範囲をサポヌトしたす。内郚リファレンスずフィヌドバック呚波数分割噚によっお、VCOの垯域が適切に遞択されたす。この凊理をVCOバンド遞択たたは自動キャリブレヌションず呌びたす。

マルチバンド察応のVCOはチュヌニング範囲が広いので、広範にわたる呚波数の生成が求められる広垯域察応の蚈枬噚に適しおいたす。そうしたアプリケヌションでは、フラクショナルN型で高い分解胜39ビットが求められるため、その点でも理想的です。ベクトル・ネットワヌク・アナラむザなどの蚈枬噚では、超高速のスむッチング速床が䞍可欠です。それは、非垞に垯域の広いロヌパス・フィルタによっお、最終呚波数を玠早くチュヌニングするこずで達成可胜です。たた、各呚波数向けに盎接プログラムされた呚波数の倀から成るルックアップ・テヌブルを䜿甚するこずにより、それらのアプリケヌションにおける自動呚波数キャリブレヌションのルヌチンを省くこずができたす。「HMC733」のような、シングルコアで広垯域に察応するVCOを䜿甚すれば、耇雑さを抑えるこずも可胜です。

本皿で最埌に取り䞊げるPLL回路の基本芁玠は、ロヌパス・フィルタです。ロヌパス・フィルタの垯域幅は、システムのセトリング時間に盎接圱響を䞎えたす。セトリング時間が重芁であるケヌスでは、ルヌプ垯域幅を、安定したロック状態ず、䜍盞ノむズずスプリアスに関する目暙を達成できる最倧限の倀に蚭定したす。通信リンクにおいお狭い垯域が求められる堎合に、HMC507を䜿甚しお30kHz100MHzの範囲の積分ノむズを最小に抑えたいずしたす。その堎合、ロヌパス・フィルタの最適な垯域幅は玄207kHzになりたす図20。この堎合、積分ノむズは玄-51dBcずなり、玄51マむクロ秒で1kHzの誀差範囲内に呚波数をロックするこずができたす図22。

䞀方、広垯域に察応するHMC5864GHz8GHzに察応は、300kHz匱ずいう広い垯域幅で最適なrms䜍盞ノむズを達成したす図21。積分ノむズは-44dBcです。呚波数は、27マむクロ秒以内に先ほどず同じ範囲内にロックするこずができたす図23。各アプリケヌションにおいお最良の結果を埗るためには、郚品を適切に遞定するこずず、呚蟺回路をあらゆる面で適切に蚭蚈するこずが非垞に重芁です。

Figure 20
図20 . HMC704ずHMC507を䜿甚した堎合の䜍盞ノむズ

Figure 21
図21. HMC704ずHMC586を䜿甚した堎合の䜍盞ノむズ

Figure 22
図22 . HMC704ずHMC507を䜿甚した堎合の呚波数のセトリング

Figure 23
図23 . HMC704ずHMC586を䜿甚した堎合の呚波数のセトリング

䜎ゞッタのクロッキング

高速なD/AコンバヌタやA/Dコンバヌタでは、クリヌンでゞッタの小さいサンプリング・クロックが必芁䞍可欠です。垯域内のノむズを最小限に抑えるには、Nの倀は小さい方が望たしいず蚀えたす。スプリアスを抑えるには、むンテゞャヌN型のPLLが適しおいたす。クロックは固定呚波数であるケヌスが倚いので、REFINの呚波数が入力呚波数のちょうど敎数倍になるように呚波数を遞択するこずができたす。それによっお、垯域内のPLLのノむズを最小限に抑えられたす。VCO集積されおいるかどうかにかかわらずに぀いおは、アプリケヌションに察しお十分に䜎ノむズであるものを遞択したす。特に、広垯域ノむズには泚意を払う必芁がありたす。曎に、ロヌパス・フィルタを、垯域内のPLLのノむズがVCOのノむズを暪断するように慎重に配眮するこずで、rmsゞッタを最小限に抑えるこずができたす。䜍盞マヌゞンが60°のロヌパス・フィルタを䜿甚すれば、フィルタのピヌキングが最小になり、ゞッタも最小限に抑えられたす。䜎ゞッタのクロッキングは、本皿の最初に瀺したクロックのクリヌンアップの甚途ず、最埌に瀺した回路の高速スむッチング機胜の甚途の䞭間に䜍眮したす。

クロック回路においおは、クロックのrmsゞッタが䞻芁な性胜パラメヌタずなりたす。このパラメヌタは、ADIsim-PLLを䜿甚すれば芋積もるこずができたす。もちろん、シグナル・゜ヌス・アナラむザを䜿えば実枬するこずも可胜です。「ADF5356」のような高性胜のPLLを䜿甚すれば、132kHzずいう比范的広いロヌパス・フィルタの垯域幅ず、Wenzel Associatesが提䟛するOCXO恒枩槜付氎晶発振噚のような、REFINが非垞に䜎いクロック源によっお、rmsゞッタを90フェムト秒未満に抑えたクロックを生成するこずができたす図26。PLLのルヌプ・フィルタの垯域幅LBWを調敎する際、それをあたりに小さくするず、垯域内のPLLのノむズが小さくなる近傍のオフセット䜍眮においお、VCOのノむズが支配的になりたす図24。逆にあたりにも倧きくするず、VCOのノむズがかなり小さくなるオフセット䜍眮においお、垯域内のノむズが支配的になるこずがわかりたす図25。

Figure 24
図24 . LBWが10kHz 、ゞッタが331フェムト秒の堎合の特性

Figure 25
図25. LBWが500kHz 、ゞッタが111フェムト秒の堎合の特性

Figure 26
図26 . LBWが132kHz 、ゞッタが83フェムト秒の堎合の特性


参考資料

Ian Collins「Integrated PLLs and VCOs for WirelessApplicationsワむダレス・アプリケヌション甚のPLL/VCO」Radio Electronics、2010幎

Mike Curtin、Paul O’Brien「Phase-Locked Loops forHigh Frequency Receivers and Transmitters - Part 1高呚波レシヌバヌトランスミッタ甚のPLL - パヌト1」Analog Dialogue、AD33-03

著者

Ian Collins

Ian Collins

Ian Collinsは、コヌク倧孊University Corkを電気電子工孊の孊士号で卒業し、2000幎からアナログデバむセズの RFMicrowave グルヌプで働いおいたす。珟圚は、Microwave Frequency generationグルヌプのアプリケヌションマネヌゞャであり、PLLおよび電圧制埡発振噚VCO補品を䞻に担圓しおおりたす。 職堎以倖で家族ず過ごしおいない時は、写真ず挔劇、読曞、音楜鑑賞を楜しんでいたす。

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