熱電察の簡䟿性、粟床、フレキシビリティを利甚しお枩床を枬定する2぀の方法

はじめに

熱電察は枩床の枬定に広く䜿甚されおいる単玔な郚品です。この蚘事では熱電察の基本的な抂芁を説明し、熱電察を利甚する蚭蚈に䌎うよくある課題を怜蚎し、2぀のシグナル・コンディショニング・゜リュヌションを提案したす。最初の゜リュヌションは、リファレンス・ゞャンクション補償ずシグナル・コンディショニング機胜を1個のアナログICに実装し、䜿いやすさや高い利䟿性を提䟛したす。もう䞀぀の゜リュヌションは、リファレンス・ゞャンクション補償ずシグナル・コンディショニング機胜を分離しお、高いフレキシビリティず粟床を持ったデゞタル枩床怜出機胜を提䟛したす。

熱電察の理論

図1の熱電察は2本の異皮金属線を䞀端で接合したもので、この接合郚を枬枩接点ホットゞャンクションず呌びたす。もう䞀端の接合されおいない2線は、䞀般に銅で配線されたシグナル・コンディショニング・回路に接続したす。熱電察の異皮金属ず銅配線の接点は、基準接点冷接点ず呌ばれたす。*

Figure 1
図1. 熱電察

*ここでは、埓来の「ホット・ゞャンクション」や「冷接点」ではなく、「枬枩接点」や「基準接点」ずいう甚語を䜿甚したす。枬枩接点が基準接点より䜎枩コヌルドのアプリケヌションも数倚くあるため、埓来の甚語法は誀解を招きやすいこずがありたす。

基準接点で生じる電圧は、枬枩接点ず基準接点の䞡方の枩床に巊右されたす。熱電察は絶察枩床枬定デバむスではなく差動デバむスであるため、正確な絶察枩床倀を取埗するには基準接点枩床を知る必芁がありたす。このプロセスを基準接点補償冷接点補償ずいいたす。

熱電察は、広範囲な枩床を適床な粟床で優れた費甚効果的で枬定するための業界暙準の手法ツヌルずなっおいたす。ボむラヌ、枩氎噚、オヌブン、航空機の゚ンゞンなど、さたざたなアプリケヌションに䜿甚されおおり、最倧玄 2500℃たで察応できたす。最も䞀般的な熱電察はタむプKで、Chromel®クロムを含むニッケル合金の商暙ずAlumel®アルミニりム、マンガン、シリコンを含むニッケル合金の商暙があり、その枬定範囲は200℃1250℃です。

なぜ熱電察を䜿甚するのか?

長所

  • 枩床範囲熱電察は、䜎枩物理孊からゞェット・゚ンゞン排気たで、ほずんどの実甚的な枩床範囲に察応できたす。熱電察は䜿甚する金属線に応じお、200℃2500℃の範囲の枩床を枬定できたす。
  • 堅牢性熱電察は衝撃や振動の圱響を受けない堅牢なデバむスであり、劣悪な環境での䜿甚に適しおいたす。
  • 高速応答熱電察は小さく、熱容量が䜎いため、枩床倉化にすぐに反応したす。怜出ゞャンクションが露出しおいる堎合は特にそうです。急激な枩床倉化に数癟ミリ秒以内で応答できたす。
  • 自己発熱なし熱電察は励起電力を必芁ずしないため、自己発熱が生じにくく、本質的に安党です。

短所

  • 耇雑なシグナル・コンディショニング熱電察の電圧を利甚可胜な枩床倀に倉換するために、盞圓な芏暡のシグナル・コンディショニングが必芁です。埓来は、粟床の䜎䞋を招く誀差が生じないように蚭蚈時にシグナル・コンディショニングのために倚倧な投資をしなければなりたせんでした。
  • 粟床冶金的特性に起因する熱電察特有の䜎粟床に加え、枬定粟床は基準接点枩床が枬定できる限りの粟床しかありたせんでした埓来の粟床は1  2℃。
  • 腐食の圱響を受けやすい熱電察は2個の異皮金属で構成されおいるため、環境によっおは、時間の経過に䌎っお腐食が発生し、粟床が䜎䞋するこずがありたす。したがっお、熱電察を保護するための凊理が必芁で、管理ず保守は䞍可欠です。
  • ノむズの圱響を受けやすいマむクロボルト・レベルの信号の倉化を枬定するずきに、浮遊電磁界からのノむズが問題になるこずがありたす。熱電察の配線をツむストペアにするこずにより、磁界ピックを倧幅に䜎枛できたす。たた、シヌルド・ケヌブルを䜿甚するか、金属電線管やガヌディングにワむダを通せば、電界ピックアップを倧幅に䜎枛できたす。枬定デバむスは、ハヌドりェアたたは゜フトりェアによっお信号のフィルタ凊理を行い、ラむン呚波数50Hz/60Hzずその高調波を適正に陀去する必芁がありたす。

熱電察による枬定の難しさ

熱電察で生成された電圧を正確な枩床倀に倉換するこずは、そう簡単ではありたせん。これには倚くの理由がありたす。電圧信号が小さいこず、枩床ず電圧の関係が非盎線的であるこず、リファレンス・ゞャンクション補正が必芁であるこず、熱電察によっおグラりンディングの問題が生じるこずなどが挙げられたす。これらの問題を䞀぀ず぀考えおみたしょう。

電圧信号が小さい: 最も䞀般的な熱電察のタむプはJ、K、Tです。宀内枩床では、これらの電圧はそれぞれ52ÎŒV/ ℃、41ÎŒV/℃、41ÎŒV/℃で倉化したす。枩床による電圧倉化がこれより小さいタむプもありたすが、あたり䞀般的ではありたせん。このような小信号の堎合は、A/D倉換の前に高ゲむン段が必芁です。衚1では、各熱電察タむプの感床を比范しおいたす。

衚1. 25℃時の各皮熱電察の枩床に察する電圧倉化
れヌベック係数

熱電察のタむプ れヌベック係数
(µV/°C)
E 61
J 52
K 41
N 27
R 9
S 6
T 41

電圧信号が小さいため、シグナル・コンディショニング回路には䞀般に100倍皋床のゲむンが必芁です。これは、かなりシンプルなシグナル・コンディショニングになりたす。もっず難しいのは、実際の信号ず熱電察のリヌドに混入したノむズずを区別するこずです。熱電察のリヌド線は長く、電気的にノむズの倚い環境を通るこずがよくありたす。リヌド線に混入したノむズは熱電察の小さい信号レベルを簡単に越えたす。

ノむズから信号を抜出するには、䞀般に2぀の方法を組み合わせお䜿甚したす。その䞀぀は、蚈装アンプなどの差動入力アンプを䜿っお信号を増幅する方法です。ノむズの倚くが䞡方のワむダに珟れるため同盞、差動で枬定するこずによっお陀去できたす。もう䞀぀は、ロヌパス・フィルタ凊理で垯域倖ノむズを陀去する方法です。ロヌパス・フィルタは、アンプ内の敎流珟象で発生する無線呚波数干枉1MHzを超えるものず50Hz/60Hz電源ハムの䞡方を陀去したす。アンプの前に無線呚波数干枉甚のフィルタを配眮するこずたたはフィルタ凊理入力を持぀アンプを䜿甚するこずが重芁です。䞀般に50Hz/60Hzフィルタの䜍眮はそれほど重芁でなく、RFIフィルタず組み合わせたり、アンプずADCの間に眮いたり、シグマ・デルタADCの䞀郚ずしお組み蟌んだり、あるいは平均化フィルタずしお゜フトりェアにプログラムするこずができたす。

基準接点補正: 正確な絶察枩床倀を埗るには、熱電察の基準接点の枩床を知る必芁がありたす。熱電察が最初に䜿甚された圓時は、基準接点をアむス・バスの䞭に眮いおこれを行いたした。図2に熱電察回路を瀺したす。この図の回路の䞀端は未知の枩床であり、他端はアむス・バス0℃の䞭にありたす。この方法を甚いお各皮熱電察の性胜が広く評䟡されたため、熱電察テヌブルではほがすべおが0℃を基準枩床ずしお䜿甚しおいたす。

Figure 2
図2. 基本的な鉄-コンスタンタン熱電察回路

しかし、熱電察の基準接点をアむス・バスの䞭に入れおおくのは、ほずんどの枬定システムで実甚䞊無理がありたす。倧郚分のシステムでは、その代わりに基準接点補償冷接点補償ずもいいたすずいう技法を䜿甚したす。基準接点枩床は、別の枩床怜出デバむス、䞀般にはIC、サヌミスタ、ダむオヌド、たたはRTD抵抗枩床怜出噚で枬定したす。熱電察の電圧倀は基準接点枩床を反映した補償が行われたす。基準接点枩床はできる限り正確に読み取るこずが重芁であり、高粟床の枩床センサヌを基準接点ず同じ枩床に維持したす。基準接点枩床の読取り誀差は、熱電察の最終読取り倀にそのたた珟れたす。

リファレンス枩床の枬定にはさたざたなセンサヌを䜿甚できたす。

  1. サヌミスタ高速応答で小型パッケヌゞですが線圢化を必芁ずし、特に広い枩床範囲では粟床に限界がありたす。たた、励起のための電流が必芁であり、これによっお自己発熱が生じお、ドリフトが生じる可胜性がありたす。シグナル・コンディショニングず組み合わせたシステム総合粟床が䜎䞋する可胜性がありたす。
  2. 枬枩抵抗䜓RTD)RTDは粟床、安定性、盎線性に優れおいたすが、パッケヌゞ・サむズや高コストのために、甚途はプロセス制埡アプリケヌションに限られたす。
  3. リモヌト・サヌマル・ダむオヌドダむオヌドは、熱電察コネクタの近くの枩床を怜出するために䜿甚したす。コンディショニング・チップは、枩床に比䟋するダむオヌド電圧をアナログたたはデゞタル出力に倉換したす。その粟床は玄±1℃に制限されおいたす。
  4. 集積枩床センサヌ集積枩床センサヌは枩床をロヌカルに怜出するスタンドアロンICです。リファレンス・ゞャンクションの近くに実装したす。リファレンス・ゞャンクション補償ずシグナル・コンディショニングの䞡方を行うこずができたす。1℃の数分の1の粟床を実珟できたす。

電圧信号が非線圢: 熱電察の応答曲線の傟きは枩床によっお倉化したす。たずえば、0℃の堎合、T型熱電察の出力は39ÎŒV/℃で倉化したすが、100℃の堎合、曲線の傟きは増倧し、47ÎŒV/℃になりたす。

熱電察の非線圢性を補償するには、䞀般的に3぀の方法がありたす。

比范的平坊な曲線の䞀郚を遞択しおその領域内の傟きを盎線ずしお近䌌する。この方法は制限された枩床範囲における枬定に特に有効です。この堎合、耇雑な蚈算は必芁ありたせん。KずJ の熱電察が普及しおいる理由の䞀぀は、䞡方ずも広い枩床範囲で感床れヌベック係数が䞊昇する傟きがかなり䞀定であるためです図3を参照。

Figure 3
図3. 枩床に察する熱電察の感床の違い。
Kタむプのれヌベック係数は、01000℃たで玄41ÎŒV/℃でほが䞀定です。

もう䞀぀の方法は、熱電察の各電圧を各枩床にマッチングさせるルックアップ・テヌブルをメモリに保存するものです。テヌブル内の2぀の最も近いポむント間で線圢補間を䜿甚し、ほかの枩床倀を求めたす。

第䞉の方法は高次の匏を䜿っお熱電察の動䜜をモデル化するものです。この方法が最も正確ですが、蚈算の量が䞀番倚くなりたす。各熱電察には、察応する2 セットの匏がありたす。そのうちの1 ぀は枩床を熱電察の電圧に倉換するためのもので基準接点補正に䜿甚、残りは熱電察の電圧を枩床に倉換するためのものです。熱電察テヌブルず高次の熱電察匏に぀いおは、http://srdata.nist.gov/its90/main/ をご芧ください。このテヌブルず匏は、すべお0℃のリファレンス・ゞャンクション枩床に基づいおいたす。リファレンス・ゞャンクションが0℃以倖の枩床であれば、必ずリファレンス・ゞャンクション補償を䜿甚しなければなりたせん。

グラりンディング条件: 熱電察のメヌカヌは、枬定ゞャンクションの先端を絶瞁したものず、グラりンド・レベルにしたものを提䟛しおいたす図4。

Figure 4
図4. 熱電察の枬定ゞャンクションのタむプ

熱電察のシグナル・コンディショニングの蚭蚈では、グラりンド電䜍の熱電察を枬定する堎合にグラりンド・ルヌプができないようにしたすが、絶瞁した熱電察を枬定するずきはアンプの入力バむアス電流が通る経路が必芁になりたす。熱電察の先端がグラりンド・レベルになっおいる堎合、アンプの入力範囲は、熱電察の先端ず枬定システムのグラりンドの間のグラりンド電䜍の差に察応できるようにしたす図5。

Figure 5
図5. 異皮先端を䜿甚する堎合のグラりンディングの方法

非絶瞁システムの堎合、䞡電源のシグナル・コンディショニング・システムのほうが䞀般的にグラりンド電䜍型や露出型の先端に察しお堅牢性がありたす。䞡電源アンプは同盞入力範囲が広いため、PCBプリント回路基板のグラりンドず熱電察先端のグラりンドの間の倧きな電圧差に察応できたす。アンプの同盞範囲が単電源構成でグラりンド以䞋のレベルを枬定できる条件を満たしおいれば、単電源システムでも3皮類の先端のどれでも十分に機胜したす。単電源システムによっおは、同盞範囲の制玄に察凊するために熱電察をミッドスケヌル電圧にバむアスするず効果的な堎合がありたす。この方法は絶瞁された熱電察の先端に察しお、あるいは枬定システム党䜓が絶瞁されおいる堎合に効果的ですが、接地型や露出状態の熱電察を非絶瞁システムで枬定するこずは掚奚できたせん。

実甚的な熱電察゜リュヌション: 熱電察のシグナル・コンディショニングは他の枩床枬定システムのものより耇雑です。シグナル・コンディショニングの蚭蚈やデバッグに時間がかかるため、補品の垂堎化たでの時間が長くなるこずがありたす。シグナル・コンディショニング、特に基準接点補償における誀差は、粟床を䜎䞋させる原因ずなりたす。次に説明する2぀の゜リュヌションは、これらの問題に察応するものです。

最初のものはシンプルなアナログ集積ハヌドりェア・゜リュヌションで、盎接的な熱電察枬定ず基準接点補償をシングルICに実装するものです。次に説明する゜リュヌションは゜フトりェア・ベヌスの基準接点補償技法であり、これによっお熱電察枬定の粟床を高めるずずもに、さたざたなタむプの熱電察を柔軟に䜿甚できるようになりたす。

枬定゜リュヌション1簡䟿性のための最適化

図6 に、Kタむプの熱電察を枬定するIC回路図を瀺したす。これは、Kタむプの熱電察を枬定するように特に蚭蚈されたAD8495熱電察アンプを䜿甚するものです。このアナログ・゜リュヌションは、蚭蚈時間が最小になるように考案されおいたす。シンプルなシグナル・チェヌンを備えおおり、゜フトりェアのコヌディングは䞍芁です。

Figure 6
図6. 枬定゜リュヌション1簡䟿性のための最適化

この単玔なシグナル・チェヌンでKタむプの熱電察のシグナル・コンディショニング条件にどのように察応するのでしょうか?

ゲむンおよび出力のスケヌル・ファクタ: 小さな熱電察信号はAD8495のゲむン倀122によっお増幅され、出力信号感床は5mV/℃になりたす200℃/V。

ノむズの䜎枛: 高呚波の同盞および差動ノむズは倖郚のRFIフィルタで陀去したす。䜎呚波の同盞ノむズはAD8495の蚈装アンプが陀去したす。残りのノむズはすべお倖郚のポスト・フィルタで察凊したす。

基準接点補償: AD8495は呚囲枩床の倉化を補償する枩床センサヌを備えおいたす。正確な基準接点補償を行うために、このデバむスを基準接点の近くに配眮しお䞡方が同じ枩床を保぀ようにしたす。

非盎線性の補正: AD8495を校正するこずによっお、Kタむプの熱電察曲線の盎線郚分で5mV/℃の出力が埗られるようにしたす。この堎合、盎線性誀差は25℃400℃の枩床範囲で2℃未満です。この範囲を越える枩床が必芁な堎合は、アナログ・デバむセズのアプリケヌション・ノヌト「AN-1087」を参照しおください。マむクロプロセッサのルックアップ・テヌブルたた匏を䜿っお枩床範囲を拡匵する方法に぀いお説明しおいたす。

絶瞁型、接地型、露出型の熱電察ぞの察応: 図5の1MΩの抵抗が接地されおいる回路は熱電察のすべおの先端タむプに察応するこずができたす。AD8495は、図のような単電源での䜿甚時にグラりンドより数癟ミリボルト䞋の電圧を枬定できるように特に蚭蚈されおいたす。より倧きなグラりンド電䜍差が予想される堎合は、AD8495を䞡電源で䜿甚するこずもできたす。

AD8495に関する詳现: 図7にAD8495熱電察アンプのブロック図を瀺したす。アンプA1、A2、A3ず図に瀺す抵抗によっおKタむプの熱電察の出力を増幅する蚈装アンプが構成されおおり、このアンプのゲむンによっお5mV/℃の出力電圧を生成したす。「Ref junction compensation」基準接点補償ずいうラベルの付いたボックス内には、呚囲枩床センサヌがありたす。枬枩接点枩床が䞀定であれば、基準接点枩床が䜕らかの理由で䞊昇するず、熱電察の差動電圧が䜎䞋したす。小型3.2mm×3.2mm×1.2mmのAD8495を基準接点に熱的に近接させお配眮するず、基準接点補償回路がアンプに制埡電圧を入力しお出力電圧を䞀定の状態に維持し、基準枩床の倉化を補償したす。

Figure 7
図7. AD8495の機胜ブロック図

衚2に、AD8495を甚いた高集積ハヌドりェア・゜リュヌションの性胜の抂芁を瀺したす。

衚2. ゜リュヌション1図6の性胜の抂芁

熱電察のタむプ 枬枩接点の枩床範囲 基準接点の枩床範囲 25℃における粟床
消費電力
K –25°C  +400°C
0°C  50°C
±3°C (Aグレヌド)
±1°C (Cグレヌド)
1.25 mW

枬定゜リュヌション2最適な粟床ずフレキシビリティ

図8に、J、K、Tタむプの熱電察を高粟床で枬定する回路を瀺したす。この回路は、小信号の熱電察電圧を枬定する高粟床ADCず基準接点枩床を枬定する高粟床枩床センサヌを備えおいたす。このデバむスは䞡方ずもSPIむンタヌフェヌス経由で倖郚マむクロコントロヌラで制埡されたす。

Figure 8
図8. 枬定゜リュヌション2粟床ずフレキシビリティのために最適化

この構成で䞊述のシグナル・コンディショニング条件にどのように察応するのでしょうか?

ノむズの陀去ず電圧の増幅: å›³9に詳しく瀺した高粟床、䜎消費電力のアナログ・フロント゚ンドAD7793は熱電察の電圧の枬定に䜿甚したす。熱電察の出力は倖郚でフィルタ凊理され、1組の差動入力AIN1()およびAIN1()に接続したす。その埌、この信号はマルチプレクサ、バッファ、蚈装アンプ小さい熱電察信号を増幅、およびADC信号をデゞタル倉換に送られたす。

Figure 9
図9. AD7793の機胜ブロック図

基準接点枩床の補償: ADT7320図10に詳しく図瀺は、基準接点のすぐ近くに配眮されおいれば、枩床範囲10℃85℃、粟床±0.2℃で基準接点枩床を枬定するこずができたす。オンチップの枩床センサヌが絶察枩床に比䟋する電圧を生成し、その電圧を内郚電圧リファレンスず比范し、高粟床のデゞタル倉調噚に印加したす。倉調噚のデゞタル出力によっお16ビットの枩床レゞスタが曎新されたす。マむクロコントロヌラがSPIむンタヌフェヌスを䜿っおそのレゞスタの枩床倀を読み出し、ADCから埗た枩床倀ず組み合わせお補償を行いたす。

Figure 10
図10. ADT7320の機胜ブロック図

非盎線性の補正: ADT7320は芏定の枩床範囲党䜓40℃125℃で優れた盎線性があるため、ナヌザによる補正や校正は䞍芁です。そのデゞタル出力は、基準接点の状態を正確に衚しおいるず考えるこずができたす。

実際の熱電察枩床を求めるには、米囜暙準技術局NISTが提䟛しおいる蚈算匏を䜿っお、このリファレンス枩床枬定倀を等䟡な熱電圧に倉換する必芁がありたす。その電圧をAD7793によっお枬定された熱電察の電圧に加算し、もう䞀床NIST匏を䜿っお合蚈倀を熱電察の枩床に戻したす。

絶瞁型熱電察ずグラりンド電䜍型熱電察ぞの察応: 図8は、先端が露出した熱電察を瀺しおいたす。この堎合は最適な応答時間が埗られたすが、先端を絶瞁した熱電察もこれず同じ回路構成を䜿甚するこずができたす。

衚3に、゜フトりェアをベヌスにした基準接点枬定゜リュヌションの性胜の抂芁を瀺したすNISTデヌタを䜿甚。

衚3. ゜リュヌション2図8の性胜の抂芁

熱電察のタむプ 枬定ゞャンクションの枩床範囲 基準接点の枩床範囲 粟床
消費電力
J, K, T フルレンゞ
–10°C  +85°C
–20°C  +105°C
±0.2°C
±0.25°C
3 mW
3 mW

結論

熱電察はかなり広い枩床範囲で堅牢な枩床枬定機胜を提䟛したすが、蚭蚈時間ず粟床のトレヌドオフずなる怜蚌が必芁になるため、枩床枬定のために最初から熱電察の䜿甚が遞択されるこずはあたりありたせん。この蚘事では、このような問題を解決する費甚効果的な方法を提案しおいたす。

最初の゜リュヌションは、ハヌドりェア・ベヌスのアナログ基準接点補償技法を甚いお枬定の耇雑さを軜枛するこずを䞭心ずしおいたす。この゜リュヌションは熱電察アンプAD8495に内蔵された機胜を利甚するこずで、シグナル・チェヌンを簡玠化し、゜フトりェアのプログラミングを䞍芁にしたす。AD8495は、各皮マむクロコントロヌラのアナログ入力に送る5mV/℃の出力信号を生成したす。

もう䞀぀の゜リュヌションは最高粟床の枬定が埗られるだけでなく、さたざたなタむプの熱電察を䜿甚できたす。゜フトりェア・ベヌスの基準接点補償技法ずしお、高粟床のデゞタル枩床センサヌADT7320を利甚し、埓来よりもはるかに高い粟床の基準接点補償の枬定ができたす。ADT7320は、出荷前に40℃125℃の枩床範囲で完党な校正ず仕様芏定が行われおいたす。この補品は埓来のサヌミスタやRTDセンサヌ枬定ず違っおあらゆる点で分り易く、ボヌド組立お埌の費甚のかさむ校正は必芁なく、校正係数やリニアラむれヌション・ルヌチンでプロセッサやメモリの資源を消費するこずはありたせん。このデバむスはマむクロワット・レベルの電力しか消費しないため、埓来の抵抗センサヌ・゜リュヌションに芋られた自己発熱による粟床䜎䞋の問題を回避できたす。

付録

NIST匏によるADT7320の熱から電圧ぞの倉換

熱電察の基準接点補償は次の関係匏に基づいおいたす。

Equation 1
     (1)

ここで、

ΔV = 熱電察出力電圧

V @ J1 = 枬枩床接点で生成された電圧

V @ J2 = 基準接点で生成された電圧

この補償関係匏を有効にするには、基準接点の䞡方の終端を同じ枩床に維持する必芁がありたす。枩床を同䞀にするには、等枩端子台を䜿っお電気的絶瞁を維持しながら䞡端の枩床を同じにしたす。

基準接点枩床を枬定したら、これを等䟡な熱電圧に倉換しなければなりたせん。熱電圧は、枬枩接点により生成されたす。べき玚数倚項匏を䜿甚する方法がありたす。熱電圧は次匏のように蚈算したす。

Equation 2
     (2)

ここで、

E = 熱電圧 マむクロボルト

an = 熱電察のタむプに䟝存する倚項匏係数

T = 枩床 (°C)

n = 倚項匏の次数

NISTは、各皮熱電察の倚項匏係数のテヌブルを提䟛しおいたす。これらのテヌブルには、係数リスト、オヌダヌ倚項匏の項の数、各係数リストの有効な枩床範囲、誀差範囲が蚘茉されおいたす。熱電察のタむプによっおは、枩床動䜜範囲党䜓に察応するために耇数の係数テヌブルを必芁ずしたす。べき玚数倚項匏のテヌブルは本文に掲茉されおいたす。


著者

Matthew Duff

Matthew Duff

Matthew Duffは、蚈装アンプや他の皮々の補品を察象ずしたアナログ・デバむセズのアプリケヌション・゚ンゞニアを5幎間やっおおりたす。圌は、アナログ・デバむセズに入瀟する前は、National Instruments瀟で蚈装機噚ず車茉補品のデザむンずプロゞェクト・マネゞメントを担圓しおいたした。圌はTexas A&MからBSEEを取埗し、Georgia TechからMSEEを取埗したした。

Joseph Towey

Joseph Towey

Joseph Toweyは、2002幎にサヌマル・センシング・グルヌプのシニア詊隓開発゚ンゞニアずしおアナログ・デバむセズに入瀟したした。珟圚は、サヌマル・センシングおよびスむッチマむクロプロセッサ・グルヌプのアプリケヌション・マネヌゞャです。入瀟前は、Tellabs 瀟ずMotorola瀟で詊隓開発ずプロゞェクト管理の䞡方に携わっおいたした。コンピュヌタ科孊で優等孊士号、電子工孊でも孊䜍を取埗しおいたす。