FAQ
ADG608 - FAQ
アナログ・マルチプレクサに電源以上の電圧がかかる
Q: CMOSアナログマルチプレクサにて多チャンネルA/Dを構成しておりますが、電源電圧±12.5Vに対して信号入力の1チャンネルだけ信号電圧が13.2V入力、他のチャンネルは5V入力。これらのいずれかを選択している期間だけ選択チャンネルの入力電圧がチャンネル1の電圧によって上昇してしまいます。入力側には保護抵抗2.7kΩが直列接続されています。過大な電圧が加わっても電源VCCへ逃げて、他のチャンネルには影響を及ぼさないのではないでしょうか。
A: CMOS-SWの入力に電源電圧を越える電圧が加わった場合、寄生トランジスタがON となりラッチアップを起こし、入出力間に電流が流れます。 流れる電流によりデバイスが破壊する恐れがありますので、電源電圧を越える電圧が入力に加わる恐れがある場合には、何らかの保護回路を入れてください。
CMOSスイッチの未使用端子の処理
Q: CMOSスイッチの入出力端子処理についてお教え下さい。
スイッチをOFFに制御した状態で、ソース、あるいはドレインを未接続(オープン)、もしくは不定状態にすることは可能でしょうか? 何か悪影響がありますでしょうか?
A: スイッチをOFFのステートにした場合、DとSはともに高インピーダンス状態になります。原理的にはオープンでも回路動作に矛盾は起きませんが、高インピーダンスのアナログ入出力ピンをオープンにすることは、お勧めしておりません。静電気や他の回路からのリークなどにより、使用中に不慮の事故を起こす危険性がありますので、一般的には使用しないD,Sはともにグランドに接続しておくことを推奨しています。
1ch入力、多ch出力のでマルチプレクサ・アナログスイッチはありますか?
Q: アナログ・スイッチで 1:8 (あるいは 1:4)の チャンネル構成品を捜しています。 カタログには 1:8 (1:4)が 掲載されていません。
A: CMOSのマルチプレクサは、入出力が双方向で可能なため8:1のマルチプレクサを1:8のデマルチプレクサとして使用することが出来ます。
CMOSスイッチに電源が印加されていないときのスイッチの状態
Q: CMOSアナログスイッチの電源ピンに電圧を入力していない状態で、スイッチ入出力間の導通はありますか。 それとも不定状態でしょうか。
A: 一般的なCMOSスイッチの各ピンは、ESD保護ダイオードにより各電源(VDDとVSS)に接続されています。VDD/VSSの電源が加わっていない状態で、DやSピンに電圧が加わると、このダイオードが導通して大電流が流れ、場合によってはダメージを受けることがあります。このピンの導通ということですが、テスターなどで測定すると、このESDダイオードを通して電流が流れるので、ある抵抗値を示します。(テスターの仕様により何Ωとは言えません) アナログスイッチがスイッチとして機能するのは、電源が正常に印加されているときだけです。
なお一部のFoullt Protection機能内蔵のCMOSスイッチは、電源オフの状態でもハイインピーダンスを保ち、以降の回路を保護するものもああります。